もじおこ

備忘録 文字起こしときどきニュアンス 耳が悪くてごめんなさい

2023/4/23シゲ部(エドモン初日・原作)

舞台『エドモン』明日までですね。ぎりぎりネタバレできないって感じですかね。でもまぁまぁまぁもう結構、つってもまだ初日の感想ですけどね、きております。いろいろきてるので読んでいきましょう。

★部員メール(『エドモン』予習しました)(初日観劇しました)

そうですね、本当に一つ目の感想もね。そう、ちょっと確か文化的背景みたいなものがわかってればわかってるほどすんなり入っていける、1800年後半とかフランスっていうもののおかれた状況。そういったものがわかってるほうがきっと楽しめる舞台だとは思うし、だから僕はなるべく『シラノ・ド・ベルジュラック』を読むなり観るなりしてきてほしいなとは思ってたんですけど。まぁ実際僕の知人なんかにも”観てきたほうがいいよ””読んできたほうがいいよ”って調べてきた人がもれなく先に観ておいてよかったと。知らなくても別に楽しめたとは思うんですけど。知っていてよかったという声がほぼ全員だったんで。それでも予習しない人ストイックだなと思うけど(笑)。まぁそれ知らなくても楽しめる内容ではありますし、ある程度台詞で補完もしてますけど、やっぱり知ってる前提で向こうフランスでは本当に知ってる話なんでしょうね。

小説っていうか戯曲も本ではまとまっててそっちもいいんですけど、翻訳がすごい難しいんだと思うんですよ。韻の部分を。だから僕も一回観たときは面白いけど細かいディティールの面白さっていうのはなかなかつかめなくて。何回も観た、『シラノ・ド・ベルジュラック』をね。何回も観れば観るほどおもろいっていう作品でしたね。すごいと思いました。1回目でまぁフランスの方は理解できる部分も多いんでしょうけど、観れば観るほど面白いからこんだけ上演され続けてるんだなと思った。まぁシェイクスピアのように古典として名作・傑作になるには何度も何度も上演されることで、知っていても面白いことがあるんだなと思いましたね。この3か月くらい、シラノ・ド・ベルジュラックに浸っていたわけですけども、私は。本当に面白いと思いますね。まぁウィットにとんでるっていうのがまさにだと思います。エスプリが効いててウィットにとんでるみたいな、作品ですしね。どんな名作にも初日があるっていうね、チラシなんかにもあったと思うんですけど。そこが面白どころ、それをまたドタバタコメディにする。まぁ実際にどこまでが起きた本当の話かわからないし、結構虚実入り混じるというか。

別にエドモン自体もこの作品の中では全然売れてない前提から始まりますけど、実際はぼちぼちヒットしてたんですよね。ただ『シラノ・ド・ベルジュラック』が最大のヒットを飛ばしたということは間違いないんですけど。それ以前からもある程度の評価は得ていたりしたっていうね。かなり物語にするにあたって非常にエドモンという人をキャラクタナイズしたと。でもそれはまぁあながち間違っていないっていうのは、エドモン自体もシラノ・ド・ベルジュラックという人をあの舞台にする上でかなりフィクションを足しているわけですよね。そこはほとんどあんな話があったわけではないっていうかね。その人間性・テーマとか詩が上手くて剣が強いっていう人のその部分をピックアップした感じだと思うんですよね。エドモンがシラノにやったように、アレクシス・ミシャリクという今回の原作の方もこのエドモンをつくった!ということになると、このすごい構造がね、ミルフィーユのようにメタ化してるわけですし。それをね作家がやるという(笑)。

でもなんか本当に評判ですごいよかったですよ。いつも厳しい意見はこないんですけど、僕の舞台は。それは演目に恵まれてるんだとも思うし、いつもよかったと言ってもらえるんですけど。なんか今回は今まで以上に非常に評判がよろしくてですね。頑張った甲斐があるなと思ったりしますが。

 

★リクエスト曲「AVALON

 

★音楽部 Kroi「風来」

 

さっきの話のつづきでいくと、毎回同じような話をしてる気もしますけど。今回の『エドモン』というものは向こうで原作の舞台があるわけですよ。だから日本では初上演だけど、元々フランスで上演されてる戯曲なんです。それもアレクシス・ミシャリクが書いた戯曲なんですが、先ほどメールにありました『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』という映画になっておりまして。これも原題は『エドモン』なんですよ。だからその舞台の映画化なんですよね。ただ、そもそもだからミシャリクは映画にしたくて戯曲を書いたんですよ。だから、戯曲のまま映画になってるんです。ほぼほぼ同じなんです。だから今回僕のやってる『エドモン』と同じなんですよ、話は。本当にほぼほぼ一緒。映画だけ多少オミットされてるんですけど、いろんな部分がね。帳尻とか映画的にするためにね。だけど、基本的に完全に同じなのはね、そうなのよ。ミシャリクがやりたいようにやってるから、映画にするつもりでやってる舞台でもありますし。まぁでも映画だからできるあれなんですけどね。流れ自体は完全に一緒ですね。だから明日だけしか残ってないけど、完全にネタバレしてきていい人はそれを観てきてもいいのかなと。

でも僕らはその向こうの『エドモン』、フランス版の『エドモン』の映像を頂いて参考資料にしてるんですね。ほとんど一緒なんだけど、映画と流れは。だからそれを演劇でどうやったかってところは今回僕らもどっちかっていうとそちらを踏襲してるんですよね。ほぼほぼ動き、場面転換とかはかなりフランス版に忠実にやってる。でも多少セットが違ったりとか、日本語のニュアンスとかでずれるところもあるし。まぁ動きも完全にはやってないけどほぼほぼもうオマージュしてる感じだとは思います。ただいろんな部分でね、翻訳の段階とか、で日本版にする上でマキノさんがすごく工夫されてくださいましたし。

だから僕は本当にありがたかったのは、参考資料がめちゃくちゃあるっていう。現場版のフランス版もあれば、映画版もあるし。もちろん日本語はないけど、フランス語の動きとかニュアンスとか、すごい勉強になったね。フランス語、フランス人ってどうなんだろうみたいな。もちろんいろんな人がいるしさ。日本人ってこうだよねって言われてさ、日本人の芝居するのって難しいと思うんだけど、いろんな日本人がいるから。でも言語的なところからアプローチとか、喋んの好きなんですよね、フランスの人はね。だからとにかくその表情の動かし方とか、喋りたい!という欲求?そして自分のことばに酔うという。ことばに対する非常な何と言うんですかね、執着っていうか愛情があるわけですよね、基本的にはね。

あと貞操観念が少しゆるいっていうところとか(笑)。すごいパッショナブル、ロマンティックなね人たちだとは思いますね。特に演劇でやる上ではそういう人たちが非常に出てくるほうが魅力的ですしね。なんでそういう意味ではすごく参考にするものが多かったのでたすかりましたね。その、フランス人に見えたっていうのは非常にありがたいです。そこはやっぱり意識してましたし、日本人がフランス人をやるって意味わかんないじゃん?(笑)でもそれが演劇なんだよね。なんか、ゆるされるというかさ。だからリアリティっていうものじゃない、もう嘘だらけの中にどうリアリティ、ナチュラルにもっていくかっていう。それはすごくむずかしくって楽しいよね。

本当に翻訳劇をやりたいなって去年偶然思ってて。なんか自分が培ってきた経験がいまなら翻訳劇とかが一番試せる気がするっていうね。そういう表現の幅みたいなものをもってたところに頂いたお話で。本当になんか、アクセル全開って感じでやれてるこの芝居とであえてよかったなと今まだ現時点の加藤シゲアキは折り返したくらいなんですけど(笑)。なんかね、それはすごいよかったな。自分を試せる場にもなったし自分のやってきたことが正しいのかどうか確認作業にもなったし、自分の現在地を見つつ新たな課題を見つけるいい演劇でしたね。あんまり自分自信あるとか言いたかないけど、でもこれもし僕がやんなかったら誰がやったんだろうなとも思うよね(笑)。なんかまぁここまでやったからだとは思うけど、いや俺以外にやれるやつはいないだろ!みたいな気持ちにもならせてもらえるような素敵なであいを楽しんでおります、はい。キャストの人たちもみんな上手だし演劇を楽しんでるし愛してるし。いいチームだなとも思いますね。

本当に3月くらいはこれやれんのかなってエドモン状態でしたけど。まぁ困ったもんだよね、作品をつくるっていうのはさ、世に出していい評価を頂いたらもうそれで(笑)すべてがゆるされてしまうというね。やってるときとか、もうこんなしんどいこと二度とやるかとかさ、小説書いてると思うけどさ、やるんだよねぇ。それがやっぱもうなんつーの?作家とか俳優の性だよねぇ。まぁアイドルもそうですけどね。アイドルっていうかNEWSというかね。やっぱライブつくるの大変なんだけど(笑)、やるか~って思うんだよね。結構こう楽しいこともたくさんあるけど、やっぱり一筋縄ではいかないことだらけの中でそれでもお客さんの前でやって喜んでくれたら、やってよかったと思っちゃうもんね~(笑)。そうやってやめられない歯車の中に私はいるわけですけどね。

というわけでそんなライブのDVD/Blu-rayが5月17日に発売されます『音楽』のね。素敵な映像作品となっておりますのでこちらのほうもチェックして頂けたらと思います。

 

★リクエスト曲「pink moon」