もじおこ

備忘録 文字起こしときどきニュアンス 耳が悪くてごめんなさい

2022/4/17シゲ部(『粛々と運針』)

さぁメッセージ読んでいきたいと思います。今週もちょっと『粛々と運針』の話ね、先週あまりしきれなかったところもあるので、話したいなと思います。

 

★部員メール(『粛々と運針』MT参加されてますか?)

(笑)。すごい僕の事を理解してくれてますね(笑)。

そうですね、先週もちらっとミーティングの話はしましたけど、ミーティングっていう言い方、みんなズルいよね(笑)。あまりこういうご時世なので、公演以外ではあんまり長居しないでくれって言われてるんだけど、ちょっと結構2時間出ずっぱりですごい集中力ですし、観て頂いた方はわかると思うんですけど、どこかその日の行き当たりばったりというか、ちょっとした感情が違うんですよ。違うくやってみたり、ある種遊びながらというか幅をもって演じているんで、こういう言い方をしたらどうなんだろう、と。こんなお芝居が本当に全員でつくるものって、いつも思ってはいるけど実感した舞台ははじめてかな。僕が特にだらしなさの種類っていうものをいろいろ試したりとか。ここは本気で言ってるからこそふざけてるとか。

そういういろんな気持ちを僕は日々試しながら、一番ゆるい役ではあるじゃない?だったんで、最初はずっと健太演じる紘にぶつけたりとかしつつ。まぁ彼もすごく経験も豊富ですし、特にしかもね、毎回「ごめんね~」って言ってた。毎回、だから変わるから、芝居が。ごめんねって言ったんだけど、”僕そういうの好きです”みたいな。物理的に手を出すみたいな瞬間が何か所があって。一か所か。強く押す、そういうシーン、「強くなりすぎちゃった、ごめんね」っていって後々謝っても、”そういうの好きです”みたいな。すごく芝居でぶつかることを楽しんでくれる。僕自身も楽しいんですけど、やっぱちょっと読めないからやりづらいところもあるかななんて思ったんだけど、すごくそれを楽しんでくれて。あれこうしたいね、あぁしたいねってことを建設的に毎公演終わりながら話していたりとか。

他のチームも最後のほうは全部ひとつになりますけど、この徳永えりさんと前野さんの2人のチームのところは”今日あれでしたね”とか”あそこ面白かったですね”とか、そんな話とかをしつつだいたいみんな。終わったあと他の仕事があるパターンもあるので毎日毎日ってわけじゃないんですけど。それでもかなりの頻度で、まぁ結果ミーティング?(笑)、アフターミーティング(笑)。ミーティングって本当ズルいよね(笑)。会ってればミーティング、みたいな。まぁ全員みんな感染対策しながらやってるんでね、割とそこは集まって、舞台上でやってるわけですしね、こう集まりながらやってるミーティングなんですけど。

そんな話からだんだん真面目な話だけしてるわけじゃなくてさ。昨日は何してたんですか?とか休演日何してたんですか?とか、そんな話したりとか。この仕事の後は何するんですか?とか。みんなそんな話もしつつ。最初男3人がね、割とつるんでるというか。僕が前野さん・須賀健太楽屋に遊びに行っていたので。劇場入って健太がアイアンマンのスリッパ履いてて。”アイアンマン好きなの?”みたいな話になって。”僕マーベル好きなんですよ””俺もめっちゃ好きだよ”つって。あれ観たこれ観たとまぁ、『スパイダーマン』だよね。”スパイダーマン観ました?””当たり前じゃん!”みたいな。”号泣だよね”って話して(笑)。そんな話から”テレビ版どこまで観た?”とか”あれ面白いから観てよ”とか。そんな話したり。

それで前野さんも好きみたいでそんな話したりとか。それ映画の話だけど、前野さんは大阪弁なので方言指導の方がいて、吉田電話さんという方なんですけど。その方も割と稽古場ではかなり来てくださってて。前野さんと特に密に方言の指導などをされていたんですけど、その方も今年の1月にマーベル一気見したらしくて。だからみんな激熱マーベルタイムで。最初はだいたい話しつついろんなことしつつ、俺はあいつが好きだとか、あいつは気に食わねぇとか(笑)、このあとこれが楽しみだねみたいな話とか。あとはインフィニティストーンどういう流れだったとか。すみません、わかんない人は全然わかんないと思うだけどそんな話をみんなでしつつ。

結構前野さんが何かで言ったのかあれですけど、ライムスタートークがね。何でかわかんないけどジャパニーズHIP-HOPの話になって。ライムスターの話になって。”いやいや俺も好きっすよ”みたいな。”こないだのMTVunplugged観ました?”みたいなのとか。すごかったっすね、みたいな。前野さんと僕も2個ぐらいしか変わんないんで、同世代だなぁみたいな(笑)。それが大きかったね。割とみんなメイン4人ぐらいは歳が近くて。そこらへんがまた、特に最後のほうは4人ががーっと盛り上がってくから4人の空気感っていうものを試しながら、あそこ気になるなとか。逆にこっちが遠慮なく芝居の話とかね、言ってくれるし僕も言うしみたいな。だから本当超いいカンパニーだね~?みたいな感じでした。ちょっと長くなっちゃったね、オープニング。

すごいいい現場だった、寂しいですね、終わってからも。またみんなでプライベートで集まろうなんていうぐらいの、仲良くさせて頂いておりました。

 

★リクエスト曲「Digital Love」

 

こちらもたくさん…まぁバレてるんでね。かけてるからっていうのはそうなんだけどさ。

★音楽部 中村佳穂「さよならクレール」(部員メール)

いやいやいや、どれだけ楽しみにしてたかって話ですよね、僕がね。すごかったんですよこれまた。まぁね僕割と注目されたYoutube動画みたいなのあったんですけど。中村佳穂さんが最初に話題になったときの動画みたいなのがあって。それから僕すごいこのラジオでもかけてますし。それこそオンラインライブとかも観てたりしてたんですけど。すごい…直接観れたことは多分ないか。ないかな。ないか。FUJIROCKとかで観れてないか。そうそう、とにかくすごく好きで。っていうのも、やっぱちょっとね(笑)、言葉選ばずに言うと変態だなと思ってて、いつも中村さん。グルーヴや声の出し方も含めてすごくギリギリ…アーティスティックなんですよ。芸術的でありながらもポップさや美しさみたいなもの、そうそう、崇高に見えるところに留まって。狂気なんだよ、俺からすると。狂気が美しい旋律になるっていうことが、その変換がすごい短いっていうか。何て言うんですかこう…うわぁすげえ!っていうよりかパっと見たら狂気にすら気づかないくらい美しいんですけど。でもこれただ事じゃないよなっていつも思っていたんですけど。

今回のアルバムはそこがすごい…あくまで僕の主観ですけどね。こんなしかも抽象的な話であれなんですけど。やっぱ音楽の構成がまぁやっぱりいつもすごい何ていうか…こんなダイナミズムなつくり方するんだ。なんか音楽の自由さをまだまだ感じさせてくれるアーティストでありながら、やっぱ歌詞を見たりすると、これよく歌いこなしてんなっていうハマりとかしてるんですよね。こんなこと言ってたんだって後々思うわけです僕は歌詞カード見て。なんとなくわかってるとこもあるし大好きなフレーズはあるんだけど。あっこういうことだったんだって歌詞カード見てたくさん発見があって、おやまぁみたいな(笑)。おやまぁこんな詞をよくご自身でつくり歌うなぁと。僕もたいがいですけど、自分のソロとか。いやすごいなと思ってて。

自分でやるからわかるんだけど本当に難しいリズムのハマりとか、中村佳穂さんのリクルーヴ(?)っていうのはすごいなと思うけど。普通の人だったらこのハマりで歌詞を入れ込めないし。それこういう歌い声もできないし。なんかもうバリエーションがあるとかでなくてなんて言うんですかね。本当に変わっちゃう感じがする。アメーバみたいな歌声だったなって。ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃしつつもいろんなかたちに変わっていくような感覚があるんですよ。でもやわらかいからどんなリズムにもなじむっていうか。でありながら中村佳穂さんというボーカリストとしての魅力は絶対削がれない芯の強さはあるわけですよね。これはね、すごいっすよ(笑)、本当に。

いやぁ本当に感動した。で、正直どれも最高すぎて。割と僕『粛々と運針』のときずっとこれ聴いてたんですけど。まぁで、先行配信もあってね、どうしよっかななんて曲本当思ってたんですけど、まぁ「さよならクレール」っていう割とその前に先行でリリースされてた曲に今日はしようかなと。この曲が好きっていうのもあります、かなりありますし。まぁラジオで中村佳穂さんのキャッチ―さというところとすごさみたいなもの、音楽構成みたいなもの、まず、今まで聴いてこなかった方にも届くんじゃないかなと思ったので聴いてほしいと思います。

 

さぁさぁ。話すかね。今日で最後にしようかね。

あ、そうそう。話ししようとしてたの忘れてた。中村佳穂さんのアルバムの中に「MIU」っていう曲があるんですけど、そのMVもすごいかっこよくて。「Lemon」などを撮られてる山田智和さんがね監督なんですけど。その撮影は小島央大さんのクレジットでしたけどね。「未来へ」と撮ってくれた小島央大さんがシネマフォトグラファーやっていらっしゃいましたね。かっこいなと思ったら、あっやっぱ小島さんの撮影いいねということを思ったりもしました。元気ですか、小島央大さん(笑)。へへへ。

★部員メール(一のバックグラウンドは掘り下げて考えたか・ドラマとの演じ方の違いは)

先ほどの話ともね、重なりますけどね。そりゃもう全然違うわけですよね。まぁすごい面白い脚本だなと思うのは、すごく行間のあるね、いわゆるサブテクストが少ない舞台だね、脚本だねって話をウォーリーさんと最初のころしてたんですけど。実はこうだとかこういうふうに役をつくっていく、このころこういう人だったんじゃないかとかっていう情報が結構少ないんですよね。全体的にね。もちろん人数が多い舞台ではないけど、いろんなものが重なり合っているのですごく一人を掘り下げるってことはなくて。なんとなく40歳フリーターでだらしなくて、コンビニで働いててっていうこと、例えばどんな学生生活なのかとか、どんな友達がいるのかっていうそういうサブテクストになりそうなもの、ヒントが結構少ないし、明確な固有名詞ってあんまりないんですよね。飲み物とかの商品名みたいなものが全然ないし。割と普遍的な、だから僕ずっと宇宙の話だねとか言ってたけど、普遍的な英語翻訳してもできるような舞台っていうか。日本文化っぽいものがあんまりない、ことばではないなっていうか。っていうのはちょっとすごく感じていてね。

なんで、それでも最初のころにホワイトボードでみんな時系列でこのころこうだったねあぁだったねとか、紘が何歳のときはこうでとか、お父さん亡くなったとき何歳でとかそういうことは考えつつ、つくっていったんですけど。役づくりも必要になったりとか。あと面白かったのは、築野家。僕と健太演じる紘とお母さんね。まぁ結さん。多岐川裕美さん演じる結さんね(笑)。ややこしい(笑)。3人で写真撮ってくんです、稽古場で。紘の結婚式のときの感じとか、紘が家を出てったときの引っ越したときの写真とかを撮ってこう、みたいな感じで。なんかどんどん病院のときの感じとか写真撮ってスライドショー、アルバムをつくるみたいなこととかやってましたね。すごい面白かったっすね。そういうワークショップ的なところもあるけどそういうふうに役作りを稽古場では結構やってた。それはウォーリーさんやお芝居を手伝ってくださってた友花さんっていう方がいらっしゃるんですけど、その方との発案でそういうアルバムつくりみたいなことはやったりとか。家の大きさどれくらい?とか。そういうことはなんとなくみんなで共通認識つくってったりするんですけど。したんですけど、今回ね。

いやでもそれでもやっぱりそのときの状態っていうやっぱり、僕の役に関してはすごく多面的っていうか。いわゆる40歳フリーター、だらしないニートみたいなことを例えばつくっていくときにすごく薄っぺらいそういう人にはなりかねないなと思ったというか。一面的な人?薄っぺらい人間になりそうだなと思ったんですけど。やっぱそうじゃないよなと。40歳生きてきてしかも母親にすごく愛情はあるわけだしとか言って。そうつくったときにテクストが少ないところを埋めてくときにどうしてくかって、僕は今回は自分の中からつくるっていうことがいいと思っていたんですね。年齢は僕よりだいぶ年上ですけど。だいぶつっても7歳くらい、設定上は。別にコンビニで働いたこともないけど、なんか、そういう人間との共通点とか、自分の中のだらしない部分とか、こういうとき気まずいよなとか、こういうとき敢えてふざけちゃうよなみたいなこととかは自分の経験とか引っ張ってきたんで。そういう人をつくる、役をつくるっていうよりかは自分から広げてくってことをすごくやったんで。

みんな観に来た人が、”舞台2時間緊張しないの?”って僕に言った人が何人かいたんですけど(笑)。しないし、多分それくらいリラックスしてやってるように見えたんだと思うんですよね。確かにそういう役だしね。だからそういうふうに加藤シゲアキと築野一っていう人間を重ねてひとつにするみたいな。だから自分がどっちの人間かわからなくなるような感覚で毎回演じていましたね。それでもだから、そうしてるから今日めちゃくちゃ嫌っぽくいってくるじゃんとか、今日めちゃくちゃふざけたいなとか。逆に本当に言いたいことがあるからふざけちゃうとか。なんかそういうほとんど決まってる流れではあるんだけど、脚本はあるし物語は決まってるんだけどそん時の一瞬の心の揺れみたいなものとかが結構ある舞台で楽しかったですね。だから今日相手が目見て喋ってきたってこととかで逃げたくなったりとか、逆に逃げられないから思い切り強く言ってしまうとか。

本当にそういうお芝居をしてるっていうかなんて言うんだろうね。本当にその舞台の2時間生きる感じで毎公演やれてたんですよ。だからすごい僕は楽しかったなと。その分本当みんなやりづらかったんだろうなとは思うんだけど。そこをみんな楽しんでくれるっていうか舞台が好きな人たち、お芝居が好きな人たちばっかりでよかったなみたいなね。システマティックにお芝居してるんだとしたら相当つらいとは思うんですけど。僕自身はとても毎公演一度たりとも同じ公演はなかったと言える、そんな舞台でしたね。

あぁ、今日長くなっちゃったね。