もじおこ

備忘録 文字起こしときどきニュアンス 耳が悪くてごめんなさい

2020/01/05シゲ部(金田一撮影秘話)

★リスナーメール(オルタネートおめでとうございます)

お話を頂いたのは2018年でした、実は。2018年の春くらいにananと同時くらいにお話を頂いたんですけど、時がたちいろいろ過ぎていく中で、今青春ものをやろうかなぁという気持ちになりつつの新潮社で、ずっと考えてはいたんだけど書き始めたのは3月くらい。1月くらいにプロット書いたんだったかな、あんまり覚えてないけど(笑)ざっくりしたものを書いて打ち合わせして書き始めたのが4月くらいでした。だからWORLDISTA中は結構前乗りして原稿書いたりしてましたけどね。ずっと書いてた、だから2019年。

そして今も続いているというね。相当なボリュームに。書き終わってるんですけどね、直すという作業が。文芸誌掲載するにあたり、その都度都度出していくのでその都度都度直していく、校正という作業があるわけですよ。校正・再校・念校っていって。念校ってあんまりそんなことないんですけど。3回チェックするんですよね。その前にも書いてるからさ、チェックして何回か直して、今回は三校まで直して、そのあとにひとつずつその回数直していくので。長く書いて書き終わったー!という気持ちになったかと思えば直す作業でてんやわんや、みたいなね日々ですわ。正月もきっとそんな日々を過ごしていることでしょう加藤シゲアキくんは。でもなんだかんだ形になってよかったかなと思います。

 

★リスナーメール(すすきのシーン)

監督からつけていただいた演出だったんです。「ちょっと加藤くん、すれ違うエキストラの人の中に入れて」とすすきを渡されて。はい~つって。あれをやることで金田一ののびのびとやれる感じはちょっとありましたね、結構序盤に撮影したんですがあのシーンは。あのシーン、何気ないシーンでしたけどあのシーンがあって結構割と気楽にやれるようになったというか。今年インする前はすごく不安だったんですけどね。昨年の、個人的な、もっとこうすればよかったかなって思っていた中で反響はすごくありましたから、反響を超えられるかなという不安もあったんですけど。やっていくうちにリラックスして現場に臨めたのはスタッフのおかげと生瀬さんと同じチームでまたやれたというのはすごく大きくあるかなと思いますが、こういったシーンの積み重ねもすごくのびのびやれた感じはありましたね。とっても楽しくやっていいんだなって途中から思えたのがよかったですね。

最初はお風呂のシーンだったんですけどね。お風呂のシーンも結構なんか久しぶりだったっていうこともあってどうやってやろうかなと思ったんですけど、それこそ古谷一行さんのやつを何回も観たんだけど、特にお風呂のシーンは何回も観たんだけどすごくあのシーン古谷さんはのびのびやってらっしゃって。それこそ自由にやってるんであの感じでいいんだなーっていうところもちょっと思って。ちょっとずつオマージュというか取り入れさせてもらったところもあったりしましたね。よかったです。

 

★リスナーメール(相関図はシゲ部長が書いているんですか?)

相関図ね、大変(笑)相関図書くんですよ自分で。いろんなバージョン作るんですよ。犬神家のときがすごく大変で。まずね「加藤君の字が見たいから」って監督から書いて下さいって言われて。オーディションですよね、字の。左利きだし万年筆だとちょっとあんまり綺麗に書けないかもしれないですって言って書いたんですけど「全然大丈夫」ってことで書くことになって。それこそ去年はスケキヨの沈んでる沼・池の畔で青空の下、急を要するために書いたんですけど。今年もそういうことで相関図を書くっていうのが金田一の中でのあるあるっていうんですかね。いろんなバージョン書くからもちろんこう、なんかあったときのため3つずつくらい書くんです、ああいうのって。大変だよね(笑)VS嵐の日ですよ。VS嵐撮影して収録してそのあと雑誌の取材受けて最後に残って加藤さん書いていって下さい、みたいな感じだったんですけど。非常にひとつそういうのも大変ってこともないけど地味な裏で作る作業っていうのもありましたね。

いやでも僕よりみんな大変だったんじゃないかな。自転車下ったりするのも意外と早いしね、ほんと古い自転車だからブレーキとかも全然利かないし。その前に一回スタッフがテストしますって言って思い切りこけてたんですよ(笑)それ怖くない?(笑)えーつって(笑)角曲がるときにやっぱりコーナリングが難しく。スタッフがこけてて、えーこけんの!?って。そんな可能性がある、しかも砂だから大変なんですよあぁいうシーンも。アスファルトがないから。時代考証的に。全部土巻くんですよ、で全部回収して。大変よね。本当大変。だけど砂で下るからって。大変でしたね。

いろいろとありますが僕以上にみんな大変だったと思いますよ。小瀧も。金田一は全然シリアスにならないから最後のほうは多少思いもありましたけど基本フラットでいるから。小瀧は逆にね常にひりひりした中に自分を置いていかないといけないということで本当に頑張ってたし、なんかいい刺激を受けましたね。あとは本当に殺害現場のシーンは大変ですよ。さむいんだから。小瀧は入っていくだけだけどその中で殺されてる人たちはほんとかわいそうよね。だなーとか思ったりね。やっぱり寒い。

最後のシーンが古田新さんの映画館のシーンだったんですけど、映写室って本来とても暑いんですよ。フィルム巻く機械が熱を帯びるから暑いんですよ。だから古田さん薄着でいるんですけど実際は別にそういうわけじゃないから、めちゃめちゃ寒そうでしたよ(笑)そういう意味でも今回はいつもよりはやく終わったんですけど気温との戦いなんかもあったりしましたし。

その時だけ古田さんとご一緒でしたけど、古田さんが現場入ってきたときに着てきたTシャツが「悪魔は来りて笛を吹く」っていう金田一耕助の、市川崑さんのバージョンですかね、そのTシャツを着てて。おそらく今日はこれ着ていこう!って古田さん思われたわけですよね、私服ですけど。帰りがけに「かっこいいすね」って話をしたんですけど、なんかもちろんTシャツを持ってるくらい好きなわけじゃないですか。金田一の、横溝作品が。しかもそれを着て現場に臨んでくれた古田さんの粋な感じもあるし、こうちょっとテンションあがってらっしゃるわけじゃないですか。やっぱりそういう作品なんだなと思ったんですよね、金田一って。だからそれはすごく僕自身がわかってないわけではないけど僕自身も金田一をやるっていうことに喜びもありますし、その分不安もありますけど、こう出たいという、横溝の作品に参加したいって思ってくれてるキャスト達がたくさんいたっていうのを改めて感じたのでなんかすごい作品をやらせてもらってんだなぁってことをその瞬間も感じたっていうね。

非常に改めて本当に嬉しいお仕事というか、金田一耕助という作品に参加できることを嬉しく思いまして2019年が終わっていったと。本当にいい1年だったかなと思います。正直プレッシャーがほかのものもたくさんあったし作品も作ったりしててね。オルタネートもそうですけど。ほんとにしんどい日もあったんですけどその分やりがいのある1年だったなぁなんて思ったりはしますが。2020年はそれをさらに上回るいい年になったらいいなと思いますし、機会があればまだまだ横溝作品たくさんありますから。正直演じてみたいですね、あれやらこれやら。まだ機会があるならまだまだ金田一耕助をやらせて頂きたい。犬神家以上に楽しくやりがいをもって、しかも面白かったなと思います、手前味噌ですけど。本当にいいドラマだったな、ストーリだったなと思うのでまた機会があればやらせていただきたいなと思ったりはしておりますが2020年も加藤シゲアキがんばりたいと思っております。