もじおこ

備忘録 文字起こしときどきニュアンス 耳が悪くてごめんなさい

2021/07/25シゲ部(染、色の話)

★リスナーメール(最近ファンになった方からのメール)

嬉しいですよね(笑)最近ファンになってくれたって方もずっと応援してくれてるって方にも感謝してもしきれない思いですけどね。こんな34ですからね。やっぱり痛感する部分もあるわけですよ。若い人は若さに惹かれるだろうからね。って当たり前に思ってたしね。作品作りしていても年齢ってものをおのずと意識しなきゃいけないこともある、その分広がっていく可能性もあるんですけどね。『染、色」の中でもあった「可能性が広がってくってときは一方で閉じてく可能性もある」っていうね。ずっと思ってはいるんだけど、こういう中で僕のことを面白がってくれる新しい方、ファンは本当に嬉しいなと思いますしね。僕だけじゃなくNEWSのこともね。まだまだいぶし銀になるには早いんですけどね。こう、若さに負けないエネルギーとかいろんな魅力を届けられるよう34歳も頑張っていきたいと思いますし、3人ともども全員誕生日迎えたわけですからね。37歳と35歳と34歳で(笑)そうやっていうとまぁまぁ、、、一番いい歳だよね。脂が乗るっつぅのはこの時期ですよ一番(笑)なので1番いい味を皆さんにお届けできたらなと思っております。

 

★リスナーメール(『染、色』はもう少し書かれていたのでは?書籍化は?)

ほとんど削ってないというか、やっぱり元の話があって、小説の染色をチョイスしたときに(それは)隙間があるからなんですよね。これをもっと奥行のある立体感のある構造物というか、二次元でいいと思うんだよね、小説って。頭の中で文章だけで構築してればいいんだけど、舞台になるってことは視覚的なものになっていくんで、3次元にしていくときにやっぱりX軸Y軸じゃない奥行が必要じゃないですか。というときに一番奥行が生み出せそうだなと思ったのが『染色』だったからなんですけど。だからどんどんどんどん肉付けしていくような形だったんですよ。なので削るよりは圧倒的に増やしていって。1番やっぱりわかんないのは、いったいこれが何分くらいの舞台になるかっていうのがわかんないんですよ。何なら僕は1時間45分くらいが理想かなと思ってたんですけど。書いてるうちに、あれ、これこうしたほうがいいかな、ここちょっとだれるかもしれないからなんか付けるか、とかそういうふうに考えてやってくとどうしてもボリュームが…改稿していくたびに増えてったんだけど。

あとはラストの展開というか、存在していたのか?っていうことだよね。真未がね。だから彼女がいないとも言い切れないんだけど。っていうのは、ラストシーンの彼女の部屋に行ったときに染みが、一人じゃ絶対届かない場所にピンク色の染みがあるわけだからね。あれは、肩車して付けたわけだから、それはいくらなんでも難しいではないか。いたのかって思うわけだよね。で、電話しても鳴ってるんだよね(笑)だから真未の電話番号、いったいなんなんだっていうところがさ、あるわけですけど。そういったある種オープンエンドな、放り出すようなおもしろさっていうものがエンタメ的でもあるし、想像の物語の面白さ、綺麗に完結しないっていうのがいいんじゃないかなって。舞台には僕自身がそういうのを求めがちなのもありますし。僕自身がそういう物語が好きですよね。好きだし、そういうものを見て育ってきてしまったっていうところは幾分あるかなと思いますので、書くたびにどんどんどんどん増えていっちゃったね~。

で、自分で読んでこれぐらいで2時間かと思った台本だったんですよ。本読みのときも2時間ぴったりって思って、いい尺だったんだと思って通し稽古見に行ったら2時間半で。え、びっくりみたいな。2時間半は長いんで、これ削りますっていう感じで。結果、削るんだけど削ったのは本当部分的で、なにかエピソード削ったりはしてない。妙ないらない相槌とか、これはお芝居で表現できてるからセリフにしなくていいね、ってところを切ってくっていう。それは現場で。これは必ずあります、どんな舞台でも。今まで僕の経験からいくと。だいたいそれはなるので。やっぱりそれは脚本家がわかりやすく最初に書くけど、どんどんどんどん役者がそこを体現してくれていれば必要ないっていうところでセリフは切っていくし、あとはテンポあげてってもらったんで。実際はそんなに切ったとてそんなに知れてると思いますね。なので2時間10分くらいになったのはね、結果的に。僕自身ももうちょっとタイトにしてあげたいと思ったんですけど、まぁむずい。削れるところはもうないかってところもありましたしね。まぁ、長くてもいいんですけどね。テンポがよかったので見ていられたのかなって思うんですけど。

 

書籍化ね。それはずっとやろうとは思ってるんだけど。ただなにかそれだけ売るのもあれですし、タイミングがいいところでいつか出せたらなとは思ってますね。僕がどんな脚本書いたのかって見たうえで分かってもらえたらおもしろいんじゃないかなとは思いますし。

 

★リスナーメール(シゲ部長の染、色感想)

これは完全に原作…脚本家として見るんじゃないかなぁ。だって原作者だったら本に対して気になるなってところがあるけど、そこはないよね、自分で脚本やってるから。で役者の目線でも観てると思うんだけど、どっちかっていうと一番近いのは演出家の目線だと思う。でも僕は演出してないから、自分がこの演出をしたときにここがすごいな・ここが気になるなみたいな感じはちょっとあったし現場行って「あの演出どうですか?」とかしつこく、僕も頑固に言ってましたね。

別に良いとは思うんだけど(笑)それは脚本にも書いてたんですけど(笑)北見が作ってる彫刻がめちゃくちゃジャコメッティで。僕がジャコメッティホムンクルスみたいな感じかなってのを台本に書いてるんですけど。まさかめちゃくちゃジャコメッティで(笑)いやそれはもう、こいつはあそこまでジャコメッティだと才能ないんじゃないかみたいなところは言ったりするんだけど。まぁわかりやすくていっかみたいなね、舞台だと。そういうものに影響受けてるってところも、実際、北見っていうところの忠実に再現することはできるがオリジナリティが足りないってところでいけばハマってるっちゃハマってるか。むなしいなぁそれはそれで、みたいなことも思ったんですけど。そういうこととかは稽古行ったときに言ったりしたし、あそこのセリフの解釈は僕がイメージしてたものは違いますとか、そういうのって脚本家と演出家って表裏一体みたいなところがあるからそういう目線で序盤は見てたんだけど。

東京初日、東京楽日、大阪初日、3回行ったんだけど、それはお客さんの雰囲気とか劇場変わって何を思うのか、半分はこのプロジェクトに対する責任、半分はカンパニーに対する愛情と、みたいなところなんだけど。もういくつか、自分としては何を感じるんだろうと。何回も観ることで感じるものがあるのかと思ってるんだけど、結局行けば行くほど観ながらこの舞台から離れていっちゃって、想像が。この舞台次やるなら、ここもうちょっとこうするっていう手があるなとか、今までこの表現をしない・もしこの舞台セットじゃない感じでやるとしたらこの配置にするのか俺は?とかそういうことばっかり考えちゃうの。それは他でもそうなんだけどね。

他の映画とか最近ほんと職業病だよね。見ながら、いやこの脚本のセリフダメじゃないかな、とか、今のうまいな、とか。そういうこの切り口新しいなとか。そういう目線。なんなら見てて、このカット割り違うっしょみたいな。編集とか頭でしてるときあるね。これを伝えたいならこのワークじゃダメじゃないかなみたいな。その表情撮りたくなるのわかるけど引きでいいじゃん、とかそんなことばっかり考えちゃう(笑)ほんと病気ですよね、これ(笑)だから脚本家で見てたね。俺が演じるなら、とは思わなかったね。脚本家として。もっというと一舞台ファンと同じ目線かな。かつクリエイター的目線がぐちゃぐちゃとしてた感じかなぁ。でもそれを考えているときに俺また2回目やろうとしてるんだな、脚本これで終わりにしないって思わせてくれたことがこの『染、色』カンパニーへの感謝ですね。

なんかこんな形になっちゃうんだったらやっぱやんなくてよかったかっていう可能性もあるわけじゃない、一応。でも本当に素晴らしい作品にしてくれたから、俺、次やるならって考えることができたっていうのはそれだけ皆さんがいい形にしてくださったからだなぁと思います。

 

★リスナーメール(三浦透子さんとお話しましたか?)

もちろんですよ。もちろんしましたしね。三浦さんも覚えててくださってて。キャスティングみたいな話もあるんですよ。最初に、誰にやってもらいますか?みたいな。正門は正門でできたらいいんですけど、って他もそうなんですけど。僕が誰々さんって言った人はいないんですけど。イメージ的には例えばこういう系の女優さんのイメージですよね、とかなんとなくは言うんだけど。その中で一役に対して数人候補が出てくるわけですよね。だからこうやってキャスティングされんだっていう自分のことも思ったよね。最近あれ見てとか、あれがよかったんです、とかでこの方・この方って出てくるんだよね。だからみんな1個1個見てるよなぁって。自分が見てるしね、もちろん。三浦さんがその中に挙がってきたときに僕が時かけの時にそんなに激しく絡みがあったわけじゃないけど、三浦さんすごいよかったイメージがあるんです。生徒役の中でも芝居に対してすごいナチュラルだしすごい空気を変える女優さんだったし。あとは『天気の子』だよね。それでこう有名になったときもそりゃそうだよなって思うくらい時かけのときの印象が強かったんですよねって。あの子大丈夫だと思います、よくやってくれると思いますみたいな話とかして。結果的に本当に三浦さんはすごい表現力に僕は度肝を抜かれたというかね。なんか生々しい、本当にそこに存在しているキャラクターとして立ってくれたことが本当に。本読みの段階からすごかったんだよね。三浦さんだけには結局、あそここうしてくださいとかこっちの方向のイメージだったんですよね、とか人と話してたんだけど、三浦さんだけはなかったね(笑)もう好きにやっちゃってください、全然いってる方向正しいんで、みたいな(笑)僕はもう本当にすごいなと。
いやでも本当にすごく面白くしてもらったし、その評判も相まって配信ってところに繋がったのは間違いないので。

セクシーなシーン、僕もっと、むしろちがうんですよ。台本ではすごいマイルドに書いてる。もうこのご時世だからこう、キスシーン的なものは危ないかもなって話もあったのでキスシーンすらもうそれをメタファー的表現に変えてたんだけど。逆に現場いったら割とダイレクトに表現してて(笑)それは瀬戸山さんがむしろそういうふうに表現したほうがいいと。原作に戻したんだよね。俺はもう少しマイルドにR18から15とかPG12くらいに落としたんだけど(笑)瀬戸山さんのせいじゃない(笑)瀬戸山さんがそのほうがいいて、作品に対して忠実に、僕以上に原作のいいところを見極めてくれたんではないかと思っております。