もじおこ

備忘録 文字起こしときどきニュアンス 耳が悪くてごめんなさい

2021/2/21シゲ部(実質麦くんのシゲ部長)

メールいくつか読みたいと思います。

★部員メール(モボおめでとうございます)

(時代背景がわからない)その当時の空気感をわかってるからこそ楽しめるってのはあると思うんだけど、こう、難しい作品だー!と思うタイプではないと思います。あまり身構えなくても大丈夫かなぁと思います。

そうですね、先週も言いましたがくれぐれも無理なく。起用理由で”溢れ出るエネルギーがはんぱない”っていうのを僕も見て。そうかな!?(笑)そう?みたいな。エネルギーめちゃくちゃあるとは思うんだけど、溢れてるタイプかなぁ?って、自分で…(笑)人に伝わらないタイプのエネルギー、スケスケのエネルギーだと思ってるんだけど(笑)そう言ってくれて、見える人には見てるのかなぁって。一色さんには見えたのかなと思いますけどね、嬉しかったですねほんと。

まだチラシの撮影しかしていないんですが、その撮影でも”パッショナブルにやってほしい”みたいなこと言われて。結構難しいんですよね。写真にそのエネルギーみたいなものを出してくれって言われて。長くやってると、そういうふうに見えるコツばっかり覚えてくるけど、本当に出してくれって言われたときにあんまり慣れてないっていうかさ。慣れてないわけじゃなくて、すぐできちゃいけないことっていうかね。みたいなことを思うんですけど。照れもあるしね。特に写真だから礼!ってやってるところを撮られるっていうのはちょっと照れがないわけじゃないんだけど、”こういうことでは出てこない・伝わらないものがあるっ”ていうのを一色さんがいってらして、間違いなくその通りだなと思って。「一瞬動いてください!」「戻ってください!」っていう感じで言われるときは、おぅおぅおぅ、みたいな、結構無茶ぶりだなって思ってる自分もいるんだけど、やったろうじゃん、みたいな感じが楽しかったですね。だからそういう現場が減ってきてるってのもあるだろうし。

こう、変に小手先でやったふうになってる自分を反省しつつ、まぁそういう意味では初心に返れるいい舞台なのではないかな、と思っていたりします。僕自身もとても楽しみにしています。何度も言いますがいらっしゃる皆さん、くれぐれも無理なさらないようにね、お願いします。

 

★リクエスト曲「TOP OF THE WORLD」

 

★音楽部 THE CHARM PARK「Sunflower」

今週はTHE CHARM PARKさんです。もしかしたら知ってる人も多いのかなぁ?僕はちょっと最近知って、あそうなんだと思ったんですけど。韓国系アメリカ人なんですね。の、シンガーソングライターであったりとか、Wikipediaにはマルチプレイヤーってあるけどね。いろんなことをやってる方なんでしょうね。とても器用な方なんだと思います。ポップクリエイターって言い方もされてますね。韓国生まれロサンゼルス育ちで日本を中心に音楽活動をされているクリエイターと。まぁ楽器はもちろん、トラックメイクからレコーディングやミキシングまでほぼ一人でやっていると。歌唱・演奏など、そういう多彩な、プロなんですよね、簡単に言うとね。

楽曲提供もたくさんしているらしいんですよね。アジカンだったりだとか、V6にもしているってことで。ということであ、あの人だってなってる方もいるのかな?僕はちょっとあ、そうなんだってこの時知ったんですけど。っていう方でございます。

で、なんでこれを知ったかというとこれもプレイリストで自然に流れてきたんですけど。春も近づいてきたところでね、とてもTHE CHARM PARKさんはすごくアコースティックなものがこの名義だと多いような印象で。アコースティックっていうかアコギを使った楽曲が多いってことか。なんかこう、今風を感じるというか、勢い的な比喩ではなくまさに風を感じる春めいた、あたたかでさわやかな感じ。まぁそのボーカルにも雰囲気はあるんですけど。そういったすごく心地よいサウンドが多くてですね。他も聴いたんですけど、今日はその「Sunflower」という新曲を聴いていいなと僕は思ったんですが、これは『Bedroom Revelations』というアルバムがリリースされた中の一曲でございます。そのほかの楽曲もまさにそのようなテイストで一貫されているんですけど。なんかやっぱりこう、外出しづらい時期が続いているけど、そういった中で音楽での旅というか。想像することで少し行き詰ったものがほぐれていくっていう感覚をみんな求めてるんじゃないかなって思うんですよね。そういった中でぴったりな楽曲だなぁと思いまして。聴いてほしいなと思います。聴いてください。

 

★『花束みたいな恋をした』を観て

メールは来ていないっていうか始まったばかりなんですけど、映画を観まして。『花束みたいな恋をした』っていうね、映画なんですよ。もちろん知ってる方多いと思うんですけど。すごい動員してますしね。坂元裕二さんの作品っていうことでまぁそりゃ行くでしょ、みたいな。ずっと前から楽しみにしていたんですけど。結論から言うとすごい素晴らしくてですね。

なんていうんだろうなぁ。本当にわかりやすいドラマがあるわけじゃないんだけど、2人の恋愛をただただ淡々と描くようなところを構成の妙とコントラストの妙でみせていくような、坂元さんらしい作品と、固有名詞の応酬が普段も多いですけど、ひとつの特徴が今回、映画ということもあって極まれりっていう感じなんですよ。つまり有村さん演じる絹と、菅田さん演じる麦というこの男女のキャラクターを割と固有名詞と物質を使って見せていくわけですよ。それをキャラ化してくわけです。序盤で有村さんが観ようとしてたお笑いのワンマンライブが天竺鼠なんですよね。その時点であっ、天竺鼠好きな人ね、っていう。これはなかなか曲者ではないかと。っていうところが見えてくるわけですけど、一方で菅田さんもそんな気質があるわけで。

あんまり作品のネタバレになるとあれなんですけど、2人が出会ったときにお!って気が合うところがその居酒屋の中に遠くに知ってる人がいると。で、それを最初、菅田さんのえ?って顔から始まるわけです。パンってカメラが振られるんです、確か。でその人にフォーカスがいくんだけど、そこが言うと押井守さんなんですよ。おお押井守じゃん!って。その感覚。(笑)そこで麦という人と同じ気持ちになるわけですよ。そこに気が付いてる絹さんもいて。そこからちょっと話すきっかけが始まるんですよ、「押井守さんいましたね」って言って。そこも「そうですよね、いましたよね」みたいな。”好きか嫌いかはさておき全員が知ってるべきです”みたいなセリフあるんですけど。もうその感じがすげぇわかるわけですよ。そこから二軒目にいってぐいぐい固有名詞で2人が意気投合していくんですけど、それがあまりにも自分で(笑)めちゃくちゃ痛いんですよ。これキャラが痛いとかじゃなくて、僕個人の物理的に、いや、もう言うと、俺じゃん!って(笑)俺過ぎる、って(笑)

見てるものとか、のちのち、麦の家の本棚が映るわけですよ。ブワーって映るんだけど、全部じゃないよ?完璧にではないんだけど、ほぼ俺じゃん、って心の中で言ったあとに、絹ちゃんが「ほぼわたしじゃん」って同じセリフを言ってたんですよ。そういう2人のハッピー感はいいんですけど、趣味が合うことで距離が近づいていくっていう絵面はとても微笑ましいんですが、あまりにも自分過ぎて。もうなんか打ちのめされるというか。

それがなんで打ちのめされるかって言うと、たぶん坂元さんがそういう人なんでもなく、ただドライにそういう人たちを描いているんですよ。こういう人たちっているよね~みたいな感じがするんですよ。距離感を取った描き方。それが自分の中で感情移入するとともにとてもドライな目線を突きつけられるしんどさがあって(笑)。いたーい!って(笑)観ながら痛いよ、みたいな。俺じゃん、みたいな。もう恥ずかしくて。家にある漫画が一緒だったりするわけですよ。まぁよく言えばっていうか物で言えば『AKIRA』とか、星頼子さんとか、その他諸々ね。他のものもそうなんだけど。もうめっちゃ俺じゃん!!みたいな。

で、カラオケで2人がきのこ帝国歌うんですよ。俺このラジオでもかけてるし、あの当時歌ってたし、たぶん。最近もたまたま聴いてたりして。きのこ帝国が好きだからね。その感じがもう膝から崩れ落ちるというか。なんか自分を見てるみたいな。ずっと見せられてる苦行(笑)。でもそれがすごいわかりすぎるが故に、また物語上カタチが変わっていくんだけど、本当にラストのクライマックスのシーンは涙せずにはいられないんですが、あまりにも(笑)。。。何回言うんだよ(笑)。

その話を新潮社で村上さんに『見た?』って。同じようなもので育ってきてるから。村上さんはまだ観てなくて。「たぶん立てなくなるよ」って話をしてたら、別の編集の方が「いや、観ました」と。それで盛り上がったんだけど、「やっぱり私は加藤さんを一瞬思い浮かべました」と言われて。周りからもそう見えてんじゃん!っていう(笑)。このつらさ(笑)。これわかるかな~みたいな。

おそらく坂元さんはどうやらインスタとかで実際に他人ですけどそういう人を見つけて、すごく調べて、そういうキャラクターを作っていったらしいんですよ。だから実在してるらしいんですよ、そういうタイプの人は。いるんだけど、俺は、いねぇよって思ったの(笑)。麦は俺なんだけど、絹はいないだろ、みたいな。

まぁそういう中でよく出てくる、2人の好きな作家で、特に何度も出てくるのが今村夏子さんなわけですよ。今村夏子を読んでるそういう女子、俺は知らない、みたいな。『こちらあみ子』っていう「ピクニック」が収録されている作品なんですけど、その話で盛り上がったりとか、その中で2人が貸し合うのが滝口悠生さんの『ナスの輝き』だったりとか、そういう純文ですよね、まさに。純文の、当時の感じでいくと若い子があぁいうの読んでるのもわからなくはないんだけど、僕と世代はがっつり違う、10年くらい差があるけど、いねぇだろ、みたいな(笑)。でもいるんだよなぁっていう(笑)ことも思ったりとか、あまりにも固有名詞がわかりすぎて苦しくて、立てなくなるっていう。

全然そういうの通ってない人のほうが楽しめるのかもな。楽しめるけど、僕も楽しんだんです、とても楽しみ、とても感動したんですけど、こんなに足腰にくる映画は初めてでしたね、本当に(笑)。だからこの先そういう曲をラジオでかけれないな、とか本とか紹介しづらいなみたいな。今村夏子さんというと『むらさきのスカートの女』で2年前芥川賞を取った、そういう話も出てきたりするんで、そういうところもすごくわかりすぎるが故にとにかく、打ちのめされてる最中でございます(笑)。ちょっと聞きたいよね、これ見た方々のね。

でも坂元さんは17歳の特定の女子に向けて書いた、イメージして書いた、と言ってて。それもすごいと思うんですよ、かなり若い世代の特定のある人に向けて脚本を書き。でもその人は見ても気が付かないと本人はおっしゃってるんですけど、パンフレットによると。なんかこう、自分に引き付けて考えると『オルタネート』もある意味10代とか、特定の人にではないけど、そういった層にアプローチしようと思ったところはあるんで。そこらへんは同じっす、みたいな気持ちになったりもするんだけど。まぁなんかそういう人に対してもドライな感じがして。とにもかくにも苦しいな(笑)。ちょっとこれ感想聞きたいなぁ。

 

★リクエスト曲「NEW STORY」