もじおこ

備忘録 文字起こしときどきニュアンス 耳が悪くてごめんなさい

2020/03/15シゲ部(Narrative・クローバー制作秘話)

★リスナーメール(「STORY」感想)

音楽部を経て皆さん聴く耳が育っておりますね。(笑)

本当にこういう方の背中を押したりだとか、支えになるような曲、特に「クローバー」とかはね、特にそうだったり。そういう話も今日できるかはわかりませんがしていきたいと思いますわ。何も考えずイエーイハッピー!という曲もありますし、お~カッコイイ!という曲もありますし、僕らは応援歌で出てきたグループでもありますので背中を押したり寄り添ったりという部分もあったりと、ファンと近い距離で、密接な関係で作った、そんなアルバム『STORY』なので、こういう感想はとても嬉しい限りですね。

 

★染色舞台化の話

実はわたくしが書きました短編集『傘をもたない蟻たちは』に収録されてます一つ目の「染色」がこのたび舞台化することになりました~パチパチパチ~。6月です。『染、色』ってなってますね、読み方は『せんしょく』ですけど。読点が入ってますけど。というのも、ちょっとなんていうか微妙にバージョン違いというか、アレンジがあるというか、元ネタ・原案くらいだと思ってもらって構わないと思うんですよね、「染色」は。Aぇ! groupの正門くんという子がですね、主演をやってくださるそうです。ということで加藤シゲアキは全く出ません!全く出ずに何をやるかと言いますとですね、戯曲家デビューをすることになりましてですね、脚本を(笑)やることになりました(笑)まぁそんなことでですねわたくし、昨年からですね、オルタネートとミアキス、スティードを書き、NEWSのアルバム、ソロ、そしてライブの諸々の準備、映像をやりながら絶賛戯曲もやっております(笑)加藤シゲアキ8人くらいいないとたぶんこれなってないはずなんですけどね(笑)僕、なんかいるんですかね?(笑)欲しいですけどね(笑)

というわけですね、原作をもとに自分で脚本を書くことになったので、ある意味好き勝手していいわけですね、だって権利は俺にあるし。この、原作者の許可を得るというのが全く必要ないので、暴れるように脚本をいま、まぁプロットはもうできてるんですけど。セリフに起こしてる作業なんかをします。まさかね本当に、いろんな経緯でこうなったんですが、実はちょっとわくわくしていたりします。自分は脚本をやりたくて小説書き始めたところもちょっとあったのでね。なんかこう、こういった形で舞台の戯曲を書くことになるとは、本当に自分でも思ってもみなかったんですけどね。いろいろ、あれよあれよと。きっと正門くんがね、うまく演じてくれるから大丈夫でしょう。(笑)と、丸投げしてみたりとか(笑)していますが、そんな隠し玉もありました。加藤シゲアキ、めちゃめちゃ働いております。(笑)

 

★音楽部(「Narrative」について)

いくつか話してきましたけどね、これまでの説明というか、被るところはあると思いますが言える限り話していこうかな。

以前にもここで話しましたよね、Narrativeとは直訳したら”物語”にはなるんですが、いわゆる一人称視点というか自分の視点で語るようなものっていう。STORYはHISTORYからきている、みたいな話もあります。いわゆる歴史だったり俯瞰して距離を取った他者の物語っていうケースが多いと思うんですけど、まさに『STORY』のような、『STORY』は実はNarrativeだなと僕は思うんですが、NEWSのね。こういうふうに作っていくような物語だったり、自分の話をするような、まだ未完成だったりっていうのはそういう部分だし、以前たとえで言いましたけど小説がSTORYだとしたらエッセイがNarrativeみたいな感じですかね。終わりがないというか終わらせるしかないわけですね、区切りでしかないですもんね、エッセイの終わりは。みたいなことを思うんですけど、なんとなく前の「世界」もそうだし、「あやめ」とか「氷温」とかもそうなんですけど、割とタイトル的なテーマが先に決まりまして、Narrativeっていうフレーズがコンセプト的にとてもおもしろいんじゃないかと。クロスオーバーする感じでね、STORYというフレーズと。っていうところから、Narrativeで曲つくろうと。

一番難解じゃないけど、凝ったシンプルというよりは、音数少なくはなってるんだけど。いわゆるリフレインするようなメロディはなるべく使わないというか。サビがないっていう感じ?たとえはね。Narrative♪Narrative♪っていうのはある種コーラス扱いというか、コーラスなんだけど。みたいなことを考えていって、なんとなく物語が進むように曲も進んでいくっていうのがひとつの僕の中の道しるべみたいなところはちょっとあって。というのも最初からそこまで、ある程度思ってたんだけど、今回クローバーっていうね、NEWS全員で『希望~Yell~』のトラックにそれぞれがメロと詞を書くという、すごく不思議なプロジェクトっていうかね。ポジティブなメッセージを伝えたいし、そこにまぁ難解さはいらないわけですよ、個人的にね。メロディもどうしてもメロディアスというか、メジャー進行なので結構明るくなるだろうな、というところがちょっとあって、端から。そっちもある種作詞作曲なんで、こっちは対称的に。「クローバー」は加藤の中の陽、まぁあれもあれで暗いっちゃ暗いんだけどね(笑)、陽だとしたらある種、裏、表が「クローバー」だとしたら裏が「Narrative」みたいなことというか。まぁそんな感じのイメージで作ってたこともあって。

はからずも2曲作ることになって大変だったんですが。なんとなく「Narrative」にしようかなと思ってた年末からだらだらと。だらだらとっていったらあれですけど、時間の隙間を見つけて。それこそFNSの楽屋とかで、キーボード持ってって適当にコード弾きつつ作ってって。このキックがいいなとかこういうパットを入れたいなとか、打ち込みを作ってたわけですよ。で、なんとなくある程度が見えてきたところでデモをプロデューサーに渡したのが大晦日ね。カウントダウンの前、6時くらいでしたよ(笑)年内にどうしてもデモをあげたかったんですけど。詞もそのときにはほぼほぼできてたのかな。あ、詞はできてないわ。そのときはラララみたいな。Narrativeだけ言ってる、ふんわりしたデモが、歌詞乗っけずに。最近は多いですけどね、いつになく曲先でやった感じかな。

でトラックはいつもの中西さんとやることになって。ほんで、できあがったものがかなりもともとの僕のトラックを踏襲してくれたというか音選びから僕の声、まあ聴いてもらったらわかると思うんですけど低いところから高いところまで使うし、僕の声ちょっと独特なので。全然違うトラック作りなおすとそれはそれで選ぶのが難しいと思うので。なので最初からある程度まとまってたからこれでいこう、ということで編曲にも僕が入っているって感じになってます。でもそれが結構いいなと思ったのが、僕自身が作っていくという「Narrative」で何を歌っているかというと僕自身がつくること・表現すること・書くことみたいなことを歌うっていうことだったので、自分についての曲というか私小説的な、非常に詞になっていくし、細かいところは別のところでライナーノーツで。戯曲をやるってところにライナーノーツやれるかどうか(笑)わかりませんが(笑)ゆっくりとはあげていきたいと思いますが(笑)今年で最後かな、本当に大変なんでね。(笑)そっちで細かいことは書くかもしれないですけど。

そういう流れからそういう私小説的な詞になっていて、それレコーディングして。今回もコーラスはAmiさんにお願いしまして。amiさん素晴らしい。「あやめ」的な(笑)僕が無茶苦茶な注文つけるんで(笑)Amiさんに「ちょっと今、未亡人で」みたいなとか(笑)そういう注文を。僕よく「未亡人」って言ってるんですけどね(笑)そういうのとか、「エリカ・バドゥみを出してください」とか(笑)「アフリカの未亡人」とかね。いつも「未亡人当日」とか「未亡人3日目」とかそういうレファレンスを(笑)細かい音のことは音のプロデューサーに任せて僕はイメージ・テンション感だけ言わせてもらってるんですけど、本当に期待に応えてくれて。すごいですよ、Amiさんは。本当に素晴らしいです。ありがとうございました。

そのコーラスも使ってなので最後そこは逆再生しているAmiさんの声なんかもありますけど。非常にこの楽曲に立体感を出してくれたコーラスとまた中西さんのところへ行って、この音をああしてほしいこうしてほしいとか。間奏で流れている弦楽器があって。最初アコギだったんですけど、ちょっと普通というかいい曲すぎるなってなって。「ちがう弦楽器ないですか?」って「シタールみたいなのでいいんですけど」って最終的にサントゥールっていう楽器どう?って言われて。そのサントゥールが何かっていうと犬神家の市川崑さんの中で流れる弦楽器の音あるじゃないですか、あれがサントゥールなんだって(笑)おもしろいね、Narrativeじゃん!とか言って(笑)半分、遊びみたいな感じでじゃあサントゥールにしましょう!って感じでサントゥールで真ん中の音は。でも綺麗でしゃりしゃりしてて。そんな遊び心もありまして。きっとより詳しいことはライナーノーツにも書くと思いますがそんなこんなで積み重なってトラックダウンまでいって、いつになく最後の最後まで徹底して現場行って作った「Narrative」でございました。作ることに対しての歌なので徹底的に作るという、コンセプトと僕のスタイルが非常に大事だったってことなので。ある種ハンドメイド感は強いかもしれませんが、個人的にはとても気に入っております。皆さんにも気に入ってもらえると思います。

 

★リスナーメール(「クローバー」の話)

(各々のパートは各々で作詞した?)そうですよ!もちろん。皆さんの中でSTORYを募集して。その中でなんというか、楽しい話ばかりじゃない、悩んでる人・苦しい人っていうのも、そういう物語もあって。かつ、それが本当でしょうね、生きていくことのリアルだと思ったし、それに対して、僕らのデビュー曲である『希望~Yell~』でなんか背中を押してあげることができたらいいね、っていうこともありますし。

「クローバー」って一応4つ意味があるんですって。4枚、四葉のクローバーは。それが「希望」「幸運」「誠実」「愛情」みたいな。それもなんとなく4人で割り振って。誰がどれとは今は言いませんが。自分のところは言っておこうか。僕は「誠実」だったんです。誠実って一番難しいですよね。誠実になんかこう、応援する、って。じゃあ誠実ってなんだ?っていうことだったんですけど。僕の中でのその人たちに対する「誠実」っていうのは「とことん寄り添う」ってことかなぁと思いました。僕が他者を見て自分が誰かを見て応援するんじゃなく、自分がみんなと同じような状況だったら、っていう。応援される側の視点でイメージしていって。夜眠れないときっていうのは僕もあるし、それはいくつになってもきっとある。なんか誰かに具体的なメッセージを向けてしまうとそれ以外の人がはぐれてしまうような感じになってしまっても嫌だったので。まぁまぁあるあるの悲しい、違うな、あるあるのなんとなく切ない夜、みたいな感じから僕は歌詞のイメージを作っていったっていうところもありますし。

手越もよく言ってるけどおそらく手越以外はラップ気味になるかなと。ラップだと文字数が入るのでね。メッセージをたくさん伝えたいっていうときには有効なんですよ。僕も、僕自身が一番言葉数が多くあるべきかなあと思って。半分ポエトリーリーディングというか、気味で。なりました。まぁ僕もそういうのが好きだからね。歌うの難しいですけどね。息継ぎどこですんんの?みたいな。ただまぁそういうところから広げてったわけですね。Aメロ・Bメロは簡単だった、簡単ではないけど、すぐ生まれるけど一番苦労したのがサビのメロディがね。どうすんのっていう。ポップでメジャーコードだったのでなんか美しくもしたいしけどありがちだとなぁと思ったりしつつもなんとか生み出したメロディっていうのがあの「クローバー」だった。もしよかったら聴いてほしいなと思います。